2011年度サイエンス・マイスター副専攻春学期授業「高度科学技術入門」、「科学体験学習1」実施報告

サイエンス・マイスター育成プログラム
「サイエンス・マイスター副専攻」

2013年度実施授業
春学期:







秋学期:

「高度分析技術3」 XPSによる表面分析(2) 11月13日

講師:教養学部人間環境学科 自然環境課程 内田晴久 教授
工学部 電子電気工学科 沖村邦雄 教授


本授業は、履修者を2班に分け、第一班はXPSの分析原理について理解を深め、第二班は実際に分析装置を使った実習を行いました。


「分析原理」


X線光電子分光法(XPS)の原理や得られたスペクトルの解析、装置全体の仕組みについて学習しました。同一の原子でも他の原子と化合物を形成していれば、原子が混成軌道を形成する為、測定で得られるスペクトルも異なります。今回の授業で、XPSの原理を理解するには、電子配置の基礎知識が必要であり、授業を通して基礎から応用まで学びました。


学生の感想


光電子のエネルギーを測定する方法が思っていたよりも分かりやすいものでした。電子の信号強度に色々なピークがあり、どのエネルギーかによって大まかに何の原子なのか分かるというのに驚きました。

(2年生:S君)



やはり難しい装置なので、とても説明は分かりやすかったが、この講義だけで全てを理解するのは難しいと感じました。しっかり自分で勉強をして、知識を深めたいと思います。

(2年生:O君)



X線照射だけでなく、紫外線照射もある事を初めて知りました。また、非弾性散乱により途中でエネルギーを失ってしまう為、表面分析にしか向かいないという意味も改めて理解出来て良かったです。

(2年生:Sさん)



非弾性散乱電子の話は、SEMのオペレーター試験の時に習っていたので、良く分かりました。自発的に勉強していかないと頭に残らないなと思いました。

(4年生:Sさん)



真空技術は、化学分析に欠かせないものである事が装置の説明時に分かりました。また、オージェ電子の発生原理及びXPSで何をどのように測定するのかが良く理解出来ました。

(2年生:T君)



XPSにおける分析で用いるエネルギーは、運動エネルギーであることからそれぞれのピークから検出される固有の値で結合を特定できることが今回の授業を受けて理解することが出来ました。得られたスペクトルには、自分が思っていた以上の要素が含まれており、弾性散乱ピークやケミカルシフトなどを一つ一つ理解しないと正しい結果を導くことが出来ないと実感しました。機会があればXPSのオペレーター資格を取得したいと思います。

(3年生:S君)

「分析装置を使った実習」


実習では、実際にXPSを使用し、原理だけではなく装置についても説明を受け、XPSによる表面分析について理解を深めました。また、実習で使用した試料は、ガラス基板、メーカー側が綺麗に酸化膜をコーティングしたガラス基板、IGZO[インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxide)から構成されるアモルファス半導体の略称]の3種類の試料をXPSにて測定し、測定結果の違いを比較、評価しました。また最後に測定したIGZOについては、課題が出題されました。

学生の感想


ESCAがなぜXPSと2つの名があるのか、またESCAがXRDよりも優れている点など多くの事を学びましたが、その中でも特に重要だと思った点は、実際に測定した試料のうち、空気中で酸化させた試料とメーカーが酸化コーティングした試料を測定すると明らかな違いが出てくる事です。またXPSがなぜ表面のごく浅い部分しか測定できないのかというところも大切だと思いました。今回の講義は、先生がXPSを操作する一つ一つの手つきや測定結果のグラフを見る時の目の動きなどを注意深く見ることが出来て良かったです。実際に私は、XPSのオペレーターを3年の間に取得したいと考えているので、大変、参考になりました。

(3年生:K君)



試料によってピークがはっきりと異なり、深さ方向分析をすることで、表面が空気によって酸化されていたという事まで分かったのが面白いと感じました。今回は、先生の説明があったから分かったが、自分ではこのデータを読み取るのは大変そうだと感じました。

(3年生:Tさん)



とても良く理解することができました。XPSを使ってのピーク解析は、これが初めてだったのですが、ピークがきれいに出たこともあり、ピークの性質を理解しながら解析をすることが出来ました。

(2年生:Sさん)



今まで良く分からなかったケミカルシフトの起こる理由が良く分かりました。また実物を見て生のデータを読んだ事で、XPSにより得られる情報についての理解が深まりました。

(3年生:K君)



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