2011年度サイエンス・マイスター副専攻春学期授業「高度科学技術入門」、「科学体験学習1」実施報告

サイエンス・マイスター育成プログラム
「サイエンス・マイスター副専攻」

2013年度実施授業
春学期:







秋学期:

「高度分析技術3」 深さ方向分析(1) 12月4日

講師:工学部原子力工学科 松村義人 教授
工学部電子電気工学科 沖村邦雄 教授


本授業は、履修者を2班に分け、第一班はXPSの深さ方向分析の原理について理解を深め、第二班は実際に分析装置を使って実習とデータ解析を行いました。


「深さ方向分析」


松村教授によるXPSやAESの原理の復習などの座学を行いました。講義内では、放射線やそのエネルギーを測定するためのガイガーカウンターについての説明がされました。さらにイオンガンの実物を見ながら、XPSの深さ方向分析の手法と理論またデータの見方などを講義して頂きました。この講義ではXPSをはじめとする、様々な表面分析法に重要な内容を学べる密度の濃い授業でした。


学生の感想


今までスパッタリングのイメージは入射イオンがぶつかった原子が直接飛び出してくるという感じだったが、本当はそうではなくてエネルギーが伝わってき結合の弱いところで飛び出るという事がわかってよかった。また深さ方向分布も徐々に変化しているからあのような線になるのだろうと思っていたので、実際よりもなだらかな線になってしまう事に驚いた。

(3年生:Tさん)



X線回折等の測定に比例計数管を用いているというのを知らなかった。学科で勉強した事と似ていると思ったが結びつけた事がなかった。とても身近に感じる事が出来た。装置について改めて勉強し直したくなった。

(2年生:Hさん)



“深さ方向分析”という言葉は聞いた事はあるのですが、今回の講義で深さ方向分析にも面分析と深さ方向分解能という種類がある事が分かりました。また、スパッタリングをする事により測定結果に及ぼす影響(実際の濃度分布と測定結果は異なる)などの新しく知る事ができた知識もあり、来週の実習でXPSを使うのがたのしみになりました。

(2年生:Sさん)



放射線の検出器としてガイガーカウンターの紹介があった。放射線の粒子が窓から入るとその軌跡に沿ってイオンができ、管内のガスの中に放電を生じる。この時電気信号を増幅して、メータで放射線の量を測定している。このガイガーカウンターについて放射線の有無は確かに分るが、種類とエネルギーの大きさは測定する事が難しい等の説明があり、これは大変参考になった。

(3年生:K君)



X線の検出方法について良く知らなかったのでGM計数管とSi半導体検出器の話が聞けて良かった。スパッタリングはイオンがぶつかったところから原子が弾き飛ばされると思っていたので、間違いが正せて良かった。

(3年生:K君)

「分析実習とデータ解析」


XPSを用いて半導体表面を実際に測定やアルゴンガスを用いたスパッタリングによる深さ方向分析(デプスプロファイリング)も行いました。また、得られた結果から解析を行う際に、装置特有の動的関数と試料からのピークを数学的に分離する「ディコンボリューション」の方法も学びました。今回の実習では装置の中和銃にトラブルがあったものの、それに対応した測定方法などを沖村教授から教えて頂き、参加学生はより高度な操作方法を学べた様子でした。


学生の感想


それぞれのバランスを見ながら、複数の関数を動かしてピークに近づけるのは大変だったけど楽しかった。ピークの上部だけでなくベースラインの処理をしっかりしないとうまくいかない事が分かった。実験の際は4つの関数を用いたが数を増やせばもう少しピークに近く出来るかもしれないと思った。

(2年生:Sさん)



今回は中和銃が故障していたため、ピークがずれていた。そのため炭素を使った補正などチャージアップしてしまった時の対処法を教えてもらえてよかった。ただケイ素表面の酸化部分しか見る事ができず残念だった。

(3年生:S君)



実習当時に中和銃が機能していなかったが、一つの元素のピークを基準に全体的に本来得られるであろう位置に補正する事が出来たのには驚きました。ピークのフィッテイングでは正規分布以外にもいくつかの手段で補正を行う事が出来る様なので、機会があれば試してみたいです。

(2年生:O君)



カーブフィッティングが難しく、何個関数を出せば良いのかどこをどう移動すればフィットするのか最初は分らなかった。しかし同じ班の子が「関数だから関数同士が重なり合えばカーブは大きくなる」と言っていたのを聞いてイメージをつかみやすくなった。ガウス関数・ローレンツ関数など使う関数ごとにどのようなカーブの違いがあるのか、どういった場合にどの関数を用いるべきか、というのは経験を積まないと分らないと思った。

(4年生:Sさん)



一つのピークが複数のピークの重なりによってできている時に、複数のピークがどのような形をしているのか、ピークを自分で作って加えていく作業をしてみてとてもよく分った。色々な関数を図で見る事によって違いが式で見るよりはっきりと理解する事ができた。

(2年生:S君)



解析が波を合わせるパズルのようなものだったので、どのような方法で理解するのかといったような事はよく理解できた。次の原理の講義をしっかり受けて理解したい。

(2年生:O君)



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